Strategy Report  - Apr.2010 - No1

INTRODUCTION

長期金利1%割れの可能性

現在、長期利回り(長期国債利回り)は1.3%前後で推移している。この長期金利については毎年のように急激な金利の上昇、オーバーシュートが警戒されている。これは870兆円に及ぶ国債及び借入金があり、赤字国債は「出さない」といいながら、毎年増やし続け、財政を不安にさせているため。実際、ここ5年で国の国債及び借入金残高は750兆円から870兆円と120兆円も増えている。が、しかし毎年のようにオーバーシュートが警戒されるなか、長期金利はなだらかに下げ続けている。この長期金利のオーバーシュートを止めていると言われているのが、個人金融資産。1,400兆円以上の金融資産が、国の借金をファイナンスしている。今年も運用先を失った預金金融機関の資産が国際市場に流れ込んでおり、基本的には底堅い展開が続きそう。さて個人金融資産だが、2007年6月末に1,571兆円とピークをつけ、直近の2009年9月末は1,439兆円まで減少している。ただ、預貯金は962兆円から967兆円と増えており、有価証券636兆円から382兆円の減少が大きい。統計上は景気回復を示す数字も増えてきたが、実体経済は厳しい状況。現状が今後も続くのであれば、リスク回避の資金はさらに国債市場に流れ込み、長期金利は2003年8月以来となる「1%割」に突入する可能性もある。

TOPIX
米株式市場の上昇続く可能性

米労働省が発表した2月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が3万6000人の減少となり、市場予想の5万人減ほど落ち込まなかった。失業率は9.7%と前月から横ばい。予想は9.8%だった。
これを受け、3月5日の米国株式相場ダウ平均は122.06ポイント高い、10566.20と大幅上昇。ナスダック総合指数は、終値ベースで18ヶ月ぶりの高値を更新した。
米国の統計数値は、力強い回復を示している。「製造セクターは改善しており、米消費者は少なくとも、消費財に多少の支出をしている。インフレは引き続き抑えられており、住宅市場は底入れしつつある。次に必要なのは、雇用の伸びだ。」
米国経済回復の立役者は、なんといっても超低金利。先日、米公定歩合を0.5%から0.7%へ引き上げたが、政策金利であるFFレートの誘導目標は、0.25%に据え置かれた。
今度の超低金利、緊急支援措置をいつまでも続けるわけにはいかない。
米連邦準備理事会(FRB)は、年内にも政策金利であるFFレートを上げるだろう。今、米国株式市場は、利上げを折り込みにきているが、実際、上昇したときにサブプライム問題の後遺症を引きずる米国経済は、力強くいることができるのだろうか。
今後も、米国の統計数値発表からは、目が離せない。
中でも利上げについては、要注意である。
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