Strategy Report  - Feb.2010 - No1

INTRODUCTION

今年の株価は強いのか

新年1月4日大発会。日経平均株価は昨年の高値を更新した。これは為替が93円台の円安に振れた事や、NYダウがしっかりしていることが要因。今年は「株は強いのか」日経平均株価の動きを考える。
問題は、日本経済が「回復基調」にあるのかだが、ただ残念ながら回復基調には入っていないと考える。それは、雇用情勢や所得環境から見ても明らか。個人消費には力強さを望むべきもない。一方、企業もいまだ人員削減が基本であり、設備の余剰感が出ている。積極的な設備投資は期待できない。政府の政策、子供手当てが期待されるところだが、個人の家計バランスシートの痛みは相当で、焼け石に水。
では「世界経済の回復」に伴って「生産・輸出が牽引する」かだが、これも難しいと考える。なぜならばこの度の大不況は今までの不況とは全く別の物であるから。世界的にデフレである。世界的に「お金の価値が高く」なっている。世界的に「お金がまわらない」ようするに、世界的に「信用創造機能」が崩壊している。世界経済の回復には時間が掛かると考える。日経平均株価は力強い動きである。低金利を背景としたNYダウや、為替の安定に牽引されてるとはいえ、今年は強くなるように思える。ただ、日経平均株価の予想株価収益率(PER)は約36倍。回復期待とはいえ、「買いすぎ」ではないだろうか。

TOPIX

マネタリティー バリュー

デフレーションとは物価が持続的に下落していく経済現象を指す。物価の下落は同時に「お金の価値」の上昇を意味する。同じ金額のお金でより多くの物、サービスを買えるようになるからである。
上記がデフレーションの概念の一般的解説となるが、ここで「お金の価値」という考え方が理解しづらい。そこで「お金の価値」を表す指数を考えてみる。デフレ対策には、金利を下げ量的緩和を促す金融政策が第一となるのだが、実際には全く効果を表さず、かえって「お金の価値」を上昇させてしまった。金利を下げると名目金利は確かに低下するのだが実質金利を上昇させ又、一定の「お金の価値」がインフレしないともいえる。これは金融対策の根本原理の否定のようだが、金利低下は「お金の価値」の上昇を意味する。「お金の価値」はもう一つの要因でも変動する。日本のような島国では個人的実感は難しいのだが為替変動。円高と円安では海外で手に入る、物やサービスが違ってくる。そこで、「お金の価値」Monetary Value(MV)=1/長期国債利回り×1/(円/ドル)為替と表す。下記にMVと公示価格・TOPIXの合成グラフを作成してみた。一般的には株式・不動産などの資産価格はデフレの概念に含まないが、より鮮明に「お金の価値」の変動が理解されると比べてみた。1990年MVは0.1と最低値を付けるが、その1年前の89年TOPIXが最高値、そして1年後の91年公示価格も最高値を指す。2004年MVは1.0と最高値を付け、同じ年、TOPIXは最低値。2007年MVは0.5まで低下すると、TOPIXは同じ年89年以降の高値を取る。又2007年からは不動産のミニバブルも始まり2008年まで上昇するも、MVの又上昇により下落に転ずる。MVとTOPIX、不動産価格がリンクしている事がおわかりいただけよう。金利を上げるか、円安になるか、これしかデフレ脱却、景気回復はないように思える。

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