Strategy Report - Mar.2010 - No1
INTRODUCTION
日経平均株価PER25~30倍
2月8日、日経平均株価は1万円を割り込んだ。取引時間中の1万円割れは2009年12月11日以来、約2ヶ月ぶり。
ギリシャの財政赤字問題がくすぶっているうえ、ポルトガル国債の入札不調などを受け、欧州諸国の財政内容に懸念が広がる。欧米株安にアジア株安も重なり、世界同時株安の様相が強まったことで投資家心理が悪化。さらに対ドル対ユーロにおける円相場の上昇も重荷となった。
年明けから日経平均株価は、米国株式の好調、93円台までの円安そして企業業績の回復を背景に堅調な動き。一時10,982円の高値をつけるが、その後米国株式市場の下落に伴い1万円を割り込む。
12月の第3四半期決算で上方修正、好決算を出しても売り込まれる企業が目立つ。これは、業績を上方修正しても期待値までは届いていないことを示し、相当な回復期待で株式を買っていたということ。
前回、日経平均株価の予想株価収益率(PER)は約36倍で「買いすぎではないか」と記した。2月5日終値時の予想株価収益率(PER)は32.9倍。PERベースで3.1倍下げたが、まだ買いすぎに見える。現在の世界情勢そして日本企業の回復状態を考えるとPER25~30倍が適性に思える。現状の日経平均株価ベースの1株利益は、10,057円÷32.9倍=305円となり、PER25~30倍に当てはめると日経平均は7,625円~9,150円となる。
TOPIX
マネタリティー バリュー
デフレーションとは物価が持続的に下落していく経済現象を指す。物価の下落は同時に「お金の価値」の上昇を意味する。同じ金額のお金でより多くの物、サービスを買えるようになるからである。
上記がデフレーションの概念の一般的解説となるが、ここで「お金の価値」という考え方が理解しづらい。そこで「お金の価値」を表す指数を考えてみる。デフレ対策には、金利を下げ量的緩和を促す金融政策が第一となるのだが、実際には全く効果を表さず、かえって「お金の価値」を上昇させてしまった。金利を下げると名目金利は確かに低下するのだが実質金利を上昇させ又、一定の「お金の価値」がインフレしないともいえる。これは金融対策の根本原理の否定のようだが、金利低下は「お金の価値」の上昇を意味する。「お金の価値」はもう一つの要因でも変動する。日本のような島国では個人的実感は難しいのだが為替変動。円高と円安では海外で手に入る、物やサービスが違ってくる。そこで、「お金の価値」Monetary Value(MV)=1/長期国債利回り×1/(円/ドル)為替と表す。下記にMVと公示価格・TOPIXの合成グラフを作成してみた。一般的には株式・不動産などの資産価格はデフレの概念に含まないが、より鮮明に「お金の価値」の変動が理解されると比べてみた。1990年MVは0.1と最低値を付けるが、その1年前の89年TOPIXが最高値、そして1年後の91年公示価格も最高値を指す。2004年MVは1.0と最高値を付け、同じ年、TOPIXは最低値。2007年MVは0.5まで低下すると、TOPIXは同じ年89年以降の高値を取る。又2007年からは不動産のミニバブルも始まり2008年まで上昇するも、MVの又上昇により下落に転ずる。MVとTOPIX、不動産価格がリンクしている事がおわかりいただけよう。金利を上げるか、円安になるか、これしかデフレ脱却、景気回復はないように思える。

