Strategy Report   -May.2010- No1

INTRODUCTION

企業だけの国

昨冬のボーナス水準は、1990年の調査開始以来初めて40万円を割り込み、「過去最安値」をマークした。今春以降も、状況は大きく変わりそうにない。厚生労働省によれば、2009年度の勤労者の平均年収(時間外手当を含み、賞与は除く)は、年収換算ベースで約382万円と毎年連続で減少を続けている。同じく時間外手当を除いた純粋な賃金(09年6月の所定内給与)だと、全都道府県の3割に及ぶ自治体では、既に平均200万円台に突入している。年収300万円どころか、「年収200万円時代」も覚悟しなければならない。
この給与減少を、「企業の利益が増えないので、給与を圧縮」ということが原因とよく言われる。
いわゆる「デフレスパイラル」。これに異を唱える意見もある。企業が利益を出している時ほど給与は下がっているという。又、利益が少ない時ほど給与は上がっているという。データの取り方で分析も変わってこようが、ただ実際に言える事は、1997年からは一貫して給与は下げ続けているという事。又、経常利益は、それにともない上昇しているという事。
私はこの給与減少を、こう考える。89年のバブル崩壊に伴ない、企業は終身雇用制を捨てた。 いや、バブルの痛みをリストラという名の元に労働者の賃金調整に求めた。これにより、終身雇用者は減少し、派遣社員が増えた。そして、それ以来企業は労働者の賃金調整、搾取の味を占め、企業利益を労働搾取する事に求めている。従って、デフレスパイラルでもなんでもない、日本企業は一貫して労働者の賃金調整をただ続けているに過ぎない。
日銀短観を始め景気動向指数は、景気の回復を示しているが、しかし、一貫した給与下落はとどまるところを知らない。小売業の決算が多い2月期の数字発表が始まる。まさに、外食、小売業の社員は今や奴隷以下である。これほどまでに、個人、人間の生活を無視した企業の利益に何の意味があるのだろうか。
ケインズ、マルクス・・・・・経済学では「労働者からいかに搾取するかが資本主義の基本」ではある。日本から、個人、人間が消え、企業だけになってしまう。

ECONOMIC INDICATORS

tankan survey

回復基調 鮮明

日銀発表の3月の企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業製造業でマイナス14となり、12月の前回調査(マイナス25)から11ポイント改善した。改善は4期連続。
中小企業製造業はマイナス30となり、11ポイント改善するも、デフレの影響をもろに受け、改善は鈍い。
2010年度の設備投資計画は、前年比0.9%減で、2009年度計画から大幅改善となった。

diffusion indices

底入れから改善

内閣府発表の2月の景気動向指数 (CI)の一致指数は、前回と比較して0.4ポイント上昇し、11ヶ月連続の上昇と なった。先行指数も、前回と比較して1.0ポイント上昇し、12ヶ月連続の上昇。
景気動向指数は、生産・雇用など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを、統合する指数。各種指標が景気回復を表しだした。
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